気ままな日々

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優良家庭犬普及協会 飼い主大学 ペットのガンと医療

b0211899_0281069.jpg10月1日 「最新の獣医療とペットのガンについて」
講師:鷲巣月見先生(日本獣医生命科学大学教授・獣医学博士) 
講師:越久田活子先生(獣医師・優良家庭犬普及協会理事)          
会場:貸し会議室 内海 1階教室(JR「水道橋」駅より徒歩3分
時間:10:00~16:00
主催:優良家庭犬普及協会

いつどのような形で別れが来るかわかりませんが、愛犬との別れは必ずやってくるもの。別れのひとつの訪れは病。その病の一つがガン。人間のガンの場合、現在では早期発見で治るものもありますが、イヌの場合はどうなのでしょうか?
もし自分の愛犬がガンとわかったらどのように対応するのか、この機会に学んではいかがでしょうか?

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わたしはSunnyを大腸原発の平滑筋肉腫で見送りました。友人の獣医師に相談し、講師の越久田先生に診ていただき、さらに鷲巣誠先生に診ていただきました。確定診断を得るまでの心の葛藤、見送るまでの3ヶ月間の心の葛藤、その支えになったのは正しい知識と死生観となによりもその葛藤を受け止め、ともに考え、適切なアドバイスを下さった獣医師の友人でした。

「死」を忌み嫌い話題にもあげないことは避けて通れないものにもかかわらずおかしなことですね。考えておかなければ、その時どうすればいいのかただただ慌て、混乱するだけでしょう。話はヒトのことになりますが、わたしが死を考えるようになったのは、母を亡くした14歳のときです。死は避けられないことはわかってもどうしたら残されたものが納得できるのか、それをずっと考えてきました。たくさんの本を読みたくさんの人の話を聞いてきました。そして、いまのところのひとつの結論は、命がその息を引き取るときは一瞬のことですが、大切な家族との別れは一瞬のことではなく、その別れまでの時間をいかに過ごすのかというところが大切なのだということです。心を合わせ穏やかに静かな時間を過ごすこと。

このような結論に達していた時、対本宗訓(つしもとそうくん)氏との出会いがありました。氏は、僧侶でした(いまでも僧籍があり僧侶でもあります)が僧として死を見送るのは葬儀のときだけではなく、その前の別れの時間の中にこそ僧としての仕事があるのではないかと思いたち、そのためには医師の役割と僧としての役割の線引きをする必要があると45歳にして医学部を受験し無事合格し、52歳にして医師国家試験に合格し、臨床経験を積む一方、僧界に働きかけ臨床僧の会サーラの立ち上げに尽力し、現在はイギリスへホメオパシーの勉強のため留学中です。ご自身のことを僧医とおっしゃっておられます。キリスト教の場合、病院に神父や牧師がきても違和感がないのに、病院に仏教の僧侶が来ることは忌み嫌われる、そうではなくほんとうに必要な心のケア(終末期医療)をしようというのです。
対本氏は、命の「誕生」(産科学)に「周産期」という捉え方がるように、「死」にも「周死期」という捉え方が必要なのではないかとおっしゃっています。氏が医師を目指した原点でもあると思います。

人の場合も犬の場合も大切な家族を失うという点ではまったく同じ「喪失」です。
Sunnyがガンになったとき、わたしは悔いのないように見送ろうと心に決め、もし彼女が命を長らえることの方が苦になるのであれば、その時には楽にしてあげることと心に決めました。
「周死期」をいかに過ごすのか、そこにこそ最期の瞬間を互いの感謝の中に迎えることができると思います。
Jeffの場合も1年にわたり片時も離れない時間(周死期)を過ごすことで後悔のない別れ(最期は15歳4ヶ月、自然死)ができました。
もちろん悲しみが訪れないわけではありませんが、その死を受容することができました。
Keithのように一日のうちになんの前触れもなく突然逝ってしまうというのは、残されたものにとってはとてもきついものです。

ガンだけでなく、高齢期の医療をどこまで受けさせるのか、必要なことはなにか、先進医療は人にも犬にも大きな決断を迫っています。生きるとはなにか、生かすことの意味、しあわせとはなにか・・・。
いずれにしろ病について、死について日ごろから考え、自分の中にひとつの思いをつくっておくことは、日々の家族との時間をよりよく過ごせることになりますし、いざとなったときに慌てずに(慌てることは慌てるのですが引き返せる思いがあるということ)行動することができると思います。
核家族化が進み、一つの家の中から死(を経験すること)が葬られてしまった現代。そんな現代社会で犬を見送ることの中に、家族という有機体のなかから葬られてしまった死を経験する意味があるかもしれませんね。


追記(2011.9.2 8:25)
右のバー、「お気に入りブログ」にリンクしてあるteam nakagawa(東大病院で放射線治療を担当するチーム)の連載「そもそもがんとはなにか」が、参考になります。犬の場合もガンという病に対する治療に違いはありません。がんという病、その治療、治癒、QOL(Quality of life=生活の質)を考えて専門家の立場からわかりやすくまとめられています。セミナーを受ける予備知識として、セミナーを受けられないとしても一読の価値があるかと思います。

この治療をどうするか(なにを選択するか)という問題の場合、ヒトとイヌの違いは「自分の意志をヒトのことばでイヌが伝えられない」というところです。すべて飼い主の意志が最終決定となる・・・愛犬はそれを納得するだろうかという点が飼い主の逡巡するところかと思います。イヌの気持ちをどこまで飼い主がつかめるかのか。。。日ごろからの愛犬との交流の中で感じている飼い主とイヌの気持ちのやり取りと正しい病と治療への理解と幸せに生きるとはというQOLに対する飼い主の思いが、この選択・決定のすべてになると思います。これは飼い主以外の誰にも決められることではありません・・・たとえ獣医師でも。
by 1212jeff | 2011-08-31 16:42 | セミナー(seminar)