気ままな日々

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時は流れて

一つの時間の中にさまざまな人生がある。
泣いている人、笑っている人、考えている人、怒っている人・・・。
同じ時間の中で被災地での暮らし、被災しなかったものの暮らし。

被災地の方々の痛みを胸にできることはする中で、日々の生活を送る。

ひとりの人生は一つの時間の中にある。

その中で共有する時間と空間がある。

だれとどこでどのように過ごすのか、過ごしたのか。


昨日、わたしは午前中にドーベルくんを送り届け報告を済ませ、
その足で午後は友人の愛犬ラビくんをいっしょに見送った。

15歳4ヶ月、友人は人生の三分の一をラビくんとともに歩んだことになる。

それはまたわたしが彼女とそれぞれの犬たちとともに過ごした時間でもあった。
彼女と出会ったのは1994年。
彼女はMixを連れて、わたしは2頭のLabを連れて、
田圃の横のあぜ道でやっていた小さなしつけ方教室でのことだった。

しつけ方教室は半年くらい続いただろうか。
それが終わってからもわたしたちは犬とよい関係を作りたい!魅力ある飼い主になりたい!と
「犬とたのしく遊ぼう!」をスローガンにディスクの先生を招いたり、訓練士さんを招いたり、飼い主の会をはじめた。
みんなで集まって、あーでもないこーでもないと、一日中、犬と遊んだ。

JAHAのインストラクター養成講座やAFCにも勉強にいった。

当時はイアンダンバー氏が誘導法のセミナーを開催した1or2年後、
テリー・ライアン女史が「ほめてしつける」という概念を持ち込んだ初期の時代。

まだ「正の強化」などという言葉は語られていなかった。
「陽性強化」という曖昧な表現や「強化子」という明確な日本語はなく、「reinforcer」と横文字のままあるいは「ごほうび」という言葉だった。
「とにかく<強制訓練>は間違っている。非人道的だ。チョークチェーンはいけない。ごほうび=食べものをあげてほめるんだ」という時代。

訓練士さんだって犬にどうしてほしいかがじょうずに伝わっている人は犬が生き生きと行動していた。
今だからわかるが、なにが報酬なのか、正の強化と負の強化、負の罰と正の罰が混沌としていた。
両方を学んでいたわたしたちは訓練士さんと話が合うような合わないような・・・。
習う方も教える方も混乱・混乱・また混乱。
わからないことだらけで、わからない2人が疑問をぶつけあっていた。

それからおそらく6~7年後くらいだったろうか(詳細年は割愛)。
「ほめてしつける」その裏には、「学習理論」というきちんとした理論があることが知られるようになった。
一気に疑問が解けていく時代だ。

もちろんその存在も理論もとうに理解している人々もいたのだろうが、
わたしたちの行くところでは残念ながらその出会いはなく、曖昧な理解が学問的に進むことはなかった。

学習理論で明確になったオペラント条件付けによる4つの学習、古典的条件付け、逐次接近法など。
すべては大学で人間の学習心理学を学んでいる人々にはあたり前のことだったのだろうが、
犬を前に「ほめてしつける」から入ったわたしたちにはジグソーパズルが一気に絵になる瞬間だった。
が、それから頭の整理と技術の整合性を求める旅がはじまった。

彼女とわたしは犬を連れ西へ東へ車で移動した。
ある時は犬なしで頭の整理にセミナーにもずいぶんと足を運んだ。
どれくらいの時間を彼女と彼女の犬たちとともに過ごしただろうか。
どれくらいの時間彼女とトレーニングについて、犬について、人と犬の関係について話したことだろうか。

ホームズ君とJeffがいなければ出会わなかった彼女とわたし。
犬が導いた出会い。
それから17年。2人は今、結果として家庭犬しつけインストラクターの末席にいる。
いまも犬を語り、人生を語り、犬の勉強をともに続けている。


そして昨日、ともに歩んだラビくんをいっしょに見送った。
最後のお別れに祭壇に眠るラビくんをいま一度撫で、ありがとうの言葉をかけると涙があふれた。
はじめてであった仔犬のときのことからすべてが胸に去来した。

ラビくんが空へ駆けあがって行くあいだ
わたしたちはJeff、Keith、Sunny、Billyの眠る墓地の前で時を過ごした。
笑ったり、泣いたりしながら。

ラビくんと過ごしたあのときのこと、あそこでのこと。
互いに見送ってきた犬たちのこと。
思い出す場面はすべてが昨日のことのようだった。

15年と4ヶ月をともにすごしたあとでの喪失感は深く、大きい。
でも、必ずや彼は心に笑顔でもどってくる。
その時間を待つしかない。
共有した時間をともに振り返りたい。
ともに泣き、ともに笑って。

きっと今ごろはみんなでたのしく元気に走りまわっていることだろう。

わたしたちは君たちが教えてくれていった大切なことを胸に刻み、歩き続けていきます。

ありがとう。
またね!
by 1212jeff | 2011-07-13 20:47 | 犬(dogs)